ギア製造検査の新しい課題
従来のパワートレインの電動化および新しい電気駆動装置の開発では、ギアの製造も行われます。電動化トランスミッションには、さまざまな課題や要件があります。実例として、電気自動車では、従来の手動またはツインクラッチのギアボックスの代わりに1速または2速の減速機を使用することによって、歯車の数が大幅に減少します。代わりに、それらのギアの品質を現在よりも大幅に向上させる必要があります。したがって、ギア検査の分野で知識と経験を蓄積する必要性が、これまで以上に最も極めて重要なことになります。
マーポスは、この分野での数十年にわたる経験を用いて、ギア検査用に非常に広い範囲のソリューションとアプリケーションを提供します。マシンモニタリング、既製のソリューション、および複雑でカスタマイズしたアプリケーション向けにセンサーを提供するマーポスは、ギア製造工程全体のコントロールを支援する完璧なパートナーとして位置づけられています。
M62 FLEX：ギア検査用フレキシブルゲージ
M62 Flexは、マーポスが上記の要件に適合するギア測定装置の1つです。M62 Flexは、ギアの最も伝統的な歯部パラメーターの一部であるDOB（MdK）、歯底円直径、および先端径の検査用の独立型のマニュアルベンチゲージです。
それぞれ最大6個のコンタクトを持つことできる2つのマルチコンタクトタレットを備えており、ゲージを段取り替えしなくても、複数のギアと複数のフィーチャーを測定できます。
電動アクチュエーターを使用した柔軟なシステムによって、必須の状況で迅速に対応できるシステムです。高精度な工具を備え、堅牢に設計されているM62 Flexは、ホブ切り、シェービング、歯車研削などの最も重要な機械加工工程の直後にギアの品質をモニタリングするための最適なソリューションです。
このシステムは、機械加工の結果を速やかにフィードバックするために、現場でマシン（歯車研削盤）近くに設置できます。
自動車、工業、歯車の複数の市場部門で膨大な種類のギアを取り扱う必要があるメーカーサプライヤーに最適なソリューションです。
ギア製造工程を制御
生産現場にM62 Flexを取り入れることは、品質管理工程の高速化に役立ちます。
測定対象のワークが測定室に滞留すると、無駄な時間が発生しますが、非常に高速な測定装置をマシン近くに設置することで、測定室に滞留するのを防ぎ、その結果、時間のロスを削減します。さらに、従来この分野で問題があると思われていた、非熱処理の硬さの低いワークに損傷や凹みが付くリスクを、ソフトランディングテクノロジーを使用することで防ぎます。
M62 Flexには、歯数が偶数または奇数のスパーギアとヘリカルギアの両方で、30～180 mmの範囲内の外径を持つ複数のギアを検査できます。
非常に少ない測定ステップですが、オペレーターへ操作手順を案内するガイド付きインターフェースがシステムに用意されているので、非常に少ないステップで測定が可能です。オペレーターに必要なのは、ゲージにギアをセットして、画面の指示に従うことだけです。さらに、各国に展開されているマーポスにいつでも相談できます。担当者は常に、短い時間で正しい専門的な支援を提供することを保証します。
M62 Flexの利点のまとめ
- 適用範囲：
可動コイルアクチュエーターを使用することで、機械的な段取り替えやコンポーネントの追加をしなくても、1つのゲージで30～180 mmの範囲の外径のギアを測定できます。
- ソフトランディングテクノロジー：
適切なソフトウェアを使用することで、低圧力を制御して測定用コンタクトを歯の表面に近づけると同時に歯の位置の誤差をモニタリングすることができます。これは、ワークに損傷や凹みを付けないようにする適切なソリューションと言えます。
- 使い易さ：
極めて使いやすいシステムであり、ガイド付きインターフェースによって自動化されたシステムを簡単な方法で操作できます。
- 精度と正確さ：
M62 Flexは、マーポスのギア測定装置ファミリーに含まれます。このファミリーには、トランスミッションセクターの最も過酷なアプリケーションに要求される精密度を満たすように、測定品質に対する正確な基準が定義されています。
- 価格設定：
高い品質と精度にもかかわらず、M62 Flexは非常に競争力がある価格となっています。
マーポスによる保証
マーポスは長年の経験に基づいて、ギア測定装置の測定品質に対する正確な基準を定義しています。現在ではギア製品を評価する最先端の技術となっており、最も重要な国際標準規格（DIN、ISO、AGMA）に準拠しています。
お客様に納入される前に、マーポスですべてのゲージ機器がテストされ、システムと一緒に適合証明書が納品されます。